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Faculty of Agriculture

農学部

垣口 由香(英文学研究室)

垣口 由香
教員氏名
垣口 由香(かきぐち ゆか) 准教授
学位
博士(文学)
学歴
大阪大・院・文学
専門分野
英米・英語圏文学

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アングロ・アイリッシュの「場所」

アングロ・アイリッシュとは?

アングロ・アイリッシュとはアイルランドに移住したイギリス系移民の子孫のことを言います。彼らはアイルランドにおいて少数派であるにもかかわらず、長年にわたって政治的・経済的に優位な特権階級でした。また、信仰するキリスト教の教派も生粋のアイリッシュとは異なり、この違いがたびたび大きな衝突を引き起こしました。そのため、アングロ・アイリッシュのアイデンティティ形成は複雑で困難なものとなり、彼らはどこか根無し草的で、常に行/生き場のない感覚を持っています。そんなアングロ・アイリッシュを代表する20世紀の作家、サミュエル・ベケットとエリザベス・ボウエンの「場所」について研究しています。

20世紀という時代

どこにも行/生き場のない感覚、場所に上手く適合できない感覚は、20世紀の時代感覚でもありました。過去に例を見ない科学技術の発展により世界は小さくなり、人の場所との関わり方は大きく変わります。また、20世紀は戦争の時代でもあり、二度の世界大戦は西欧世界が築き上げてきた文明への信頼を打ち砕き、人間の生きている場所を粉々に破壊しました。文字通り、人は行/生き場をなくしたのです。「場所」の意味を問い直すことで、20世紀、さらにはその結果としての現在とはどういう時代なのかを考えています。

  • ダブリン東部の丘から望む風景

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