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Faculty of Agriculture

農学部

学部長メッセージ

農学部長 大門弘幸

世界の人口は、現在の80億から、2050年には100億近くに達すると予想されています。また、気候変動による食料生産への影響も現実のものとなってきています。こうした中で、21世紀の世界が解決しなければならない最大の課題の1つは、健康的で安全な食料を安定的に確保することです。そのためには、食料生産や加工における新たな技術の開発と普及はもちろんのこと、サステナブルな食生活や、農を支える人と地域社会・環境など、さまざまな角度からのアプローチが必要です。龍谷大学農学部は4つの学科それぞれのアプローチから、食と農の課題解決を目指しています。

龍谷大学農学部が開設された2015年に、国連で「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択されました。SDGsには、17の目標とその下に169のターゲットが掲げられていますが、その中には農学部と関わりが深い分野も多くあります。例えば、目標の第2にあげられているのが「飢餓をゼロに」です。今後も増加する世界人口に対して十分な食料を供給するには、農業の生産力を高めていくことが不可欠です。しかし、その一方で、現在でも世界で約7億の人々が栄養不足状態にあると推定されています。その最大の原因は貧困、すなわち経済的理由により十分な食料を手に入れられないということです。「貧困をなくそう」というのがSDGsの第1の目標になっていますが、これに対しても農学からの貢献が期待されます。

貧困や飢餓の問題が開発途上国に集中する一方、先進国では、偏った食生活による不健康、その裏で発生する大量の食品ロスなどが問題となっています。これに対して、EU(欧州連合)では「Farm to Folk(農場から食卓まで)戦略」が、日本では「みどりの食料システム戦略」が打ち出されています。こうした戦略の中では、環境に負荷をかけない食の生産・流通・消費、安全で健康的な食の供給といったことが強調されています。食品ロスの問題も最終的には環境問題につながっています。SDGsでは、目標の12「つくる責任つかう責任」、13「気候変動に具体的な対策を」、14「海の豊かさを守ろう」、15「陸の豊かさも守ろう」といったところに関わりが深いといえます。

龍谷大学農学部のカリキュラムは、生命科学科・農学科・食品栄養学科・食料農業システム学科それぞれの専門性を重視しつつ、「食の循環実習」など、学科を横断する科目の履修を必須とし、実験や実習も重視しています。食と農およびそれらを取り巻く環境や社会の課題解決には、自然科学・社会科学・人文科学それぞれの分野からの多角的なアプローチ、そして現場・現物・現実に基づいた実践的なアプローチが必要だからです。

龍谷大学農学部にはさまざまな学びがあります。食と農の問題をはじめとして、SDGsに掲げられているような世界や地域の課題解決に向けて、いっしょに学んでいきましょう。

農学部長 竹歳 一紀

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