農業の基礎となる「農作物の生育や変異のしくみ」を総合的に学びます。植物生理学・遺伝学などの生命科学領域を中心に、植物の生理現象、変異と進化、生育に影響を与える外的要因について深く理解します。実験・実習では、実際の植物を用いて生理・遺伝現象を観察し、講義で得た知識を確かな技術として身につけます。「食」を支える「生命のしくみ」を分子レベルで理解し、幅広い分野で応用できる人材を育成します。

佐藤 未空さん
植物生命科学科※ 4年生(京都府立南陽高等学校 出身)
植物は、匂いを操ることで危機に対処しています。虫に食べられた植物が出した匂いを健全な植物が受容すると、防衛反応が引き起こされ、虫からの被害を受けにくくなります。「植物間コミュニケーション」と呼ばれるこの現象は、農薬に依存しない農業や低コストで収穫量を増やす技術の開発に貢献できると考えられています。そこで「匂い成分の違いにおける植物の品質への影響」というテーマを設け、トウモロコシをつかった研究でアプローチしています。研究室では協力して実験を行うことが多く、交流をとおして協調性やコミュニケーション能力を磨くことができます。さまざまな研究活動の中でも印象深いのは、山でのゼミ合宿です。足をつかって森林や植物、昆虫を調査する経験は、気づきに溢れていました。その体験的な学びを研究活動にも活かしています。

加藤 亮太さん
植物生命科学科※ 4年生(滋賀県立大津高等学校 出身)
病害や傷害を受けた植物は、どのように反応して身を守ろうとするのか。この分子レベルで起きている未知の現象の解明は、農薬や病害防除に関する研究に役立つだけでなく、将来的には持続可能な農業や食料生産の発展にもつながるに違いありません。それらの社会課題を見据え、「植物に傷害を起こした際の分子レベルでの変化の解析」をテーマに卒業研究に取り組んでいます。植物に病原菌を接種し、顕微鏡を用いて、分子レベルでの観察を行っています。これまで講義をとおして、病原菌などの微生物と植物の相互作用について学びを深めてきた、その過程で身につけた知識や手法を活かして研究をすすめることで、傷害というストレスに対して植物がどのような防御応答を示すのかを解析できるようになり、研究手法やデータ解析の重要性を実感しています。
※2023年、「生命科学科」に名称変更