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Faculty of Agriculture

農学部

農が拓く社会。

龍谷大学 農学部×Traditional Arts and Ethnology Centre (TAEC) 植物素材と手仕事 その価値に光を。

「種子を飾る文化」をテーマに、展覧会を開催

ラオスの旧王都ルアンパバーンの博物館Traditional Arts and Ethnology Centre (TAEC)で開催中の企画展”Seeds of Culture: From Living Plants to Handicrafts”。この展覧会では、落合教授がゲストキュレーターとして学術企画と資料提供を担当している。ジュズダマ属植物の種子を使って作ったものの資料、衣服やショルダーバッグ、アクセサリーを展示し、植物素材を利用したものづくりについて、メッセージを投げかけている。

ものづくりを植物素材から考える。

落合教授
東南アジアや東アジアのフィールドワークを通して見えてきた「自然環境と人びとの関わり」、「多様な植物によって支えられてきた衣食住」。その研究の成果をどのように社会に伝えていくか、この課題に取り組んだのが展示実践をはじめた発端でした。フィールドワークで注目したのがジュズダマのなかまの植物。東南アジアや東アジアの人びとは、その種子をビーズのように使い、衣服やヘッドドレス、ショルダーバッグなど、さまざまなものを飾ってきました。いっぽう最近では、ものづくりの素材が自然素材から人工素材へと変化していく現状もあります。そこで、ジュズダマ属植物を手がかりに、植物多様性と文化多様性との関係について紹介しよう、ものづくりのこれからを素材から考えてみようと、これまで大阪、台湾、インドネシアなどで展覧会を開催してきました。
龍谷ミュージアムを見学
今回のラオスでの企画展 "Seeds of Culture"は、TAEC共同代表のTaraさんやThongkhounさんとの研究交流やディスカッションをもとに、二人にお誘いいただいて実現しました。2018年8月まで2年間の開催期間中、私のコレクション600点から選りすぐった約40点の資料を、作り手や使い手の写真とともに展示しています。ありがたいことに、観光客や地元ラオスの方たちに多数ご来場いただいています。講演やギャラリートークでお客様に接することもあるのですが、植物のもつ美しさや手仕事のすばらしさに驚いた、地域の植物素材の価値に気づいたといった感想が返ってきています。
龍谷ミュージアムをはじめとする大学博物館は、研究を社会に開くためのメディアとして大きな役割を担っています。たくさんの方に研究のおもしろさを実感していただきたいですし、私も取り組みを続けていきたいと思っています。

地域の人びとがみずからの文化をみつめる。

Taraさん・
Thongkhounさん
この企画展では、ゲストキュレーターと協働して展示を作る、文化と自然環境とのかかわりをテーマに取り上げるという、 TAECの10年間で初めての活動に挑戦しました。展示内容にあわせて、オーガニック・コットンや竹のマットで展示空間を構成したり、自然素材にふれるワークショップを開催したりもしています。ふだんから伝統的な手法でハンディクラフトを製作している人びとと協力し、ミュージアムショップでその製品をフェアトレードしているのですが、今回はジュズダマの種子を使ったオリジナル・グッズを販売して好評を得ています。このような幅広い活動ができたこと、そして、来場者から大きな反響をいただいていることに、手応えを感じています。
ラオスの植物利用の文化は多岐に渡っていますが、その調査は十分に進んでいません。これからも落合さんと共同研究を続けていきたいと思っています。

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