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Faculty of Agriculture

農学部

農が拓く社会。

龍谷大学 農学部×ハウス食品株式会社 スパイスを使って、納豆嫌いを減らせないか。

スパイスを使用した製品開発プロジェクト

龍谷大学農学部はハウス食品株式会社の協力を得て、スパイスを使用した製品開発プロジェクトを実施。石口さんと前田さんのチームは納豆に醤油とレモングラスをジュレ状にしたものを混ぜ合わせ、臭いを軽減した納豆を開発。これをもとにハウス食品が研究を進め、食品の消臭に用いることに関する特許を申請した。

24種類のスパイスの中からどれを使用して、どう活かすかが鍵。

石口さん
今回の製品開発プロジェクトの話を聞いたとき、一人でもやってみようという意気込みでした。ただ、一人だと考えも狭まり、きっとモチベーションの持続も難しい。そこで前田くんに「一緒にやらないか」と声をかけました。
前田さん
声をかけてもらった時、実験室で実験をする機会が欲しかったので「これはチャンスだ」と参加することを決めました。
石口さん
二人でアイデアを出し合いましたが、最初は決め手がなくて。最初、「納豆で何かできないか」と漠然と考えていたのですが、チームの担当教員だった発酵分野を専門とする島教授とのディスカッションから、納豆×スパイスの組み合わせですすめることに決めました。
清水さん
ハウス食品にとってスパイスは重要な調味料。商品開発をする上で、他の会社と違いを出すために、どうやってスパイスを絡ませようかいつも考えています。そんな僕たちが驚いたのは、納豆チームがちゃんと24種類すべてを実験したところ。大体、僕たちだったら最初に使用するスパイスを絞ってしまう。事前に調べて、こういうの効きそうだよねと。だからこそ、24種類すべて掛け合わせて試食したパワーは本当にすごい。
石口さん
私たちはスパイスに対する知識がまったくなかったのでとにかくやってみるしかないなと思いました。だからこそ、レモングラスと掛け合わせると、納豆の臭みがなくなると気づけました。納豆は栄養価がすごく高いので、臭いを消すことができれば海外の人とか、納豆嫌いの人にも食べてもらえる。商品化すれば納豆の市場も一気に広げることができるのではという夢が広がりました。

偶然から生まれた特許。

前田さん
レモングラスに目を付けてからは一本に絞っていったのですけど、そこからがまた大変でした。納豆の臭いの成分とそれをマスキングするレモングラスの成分がどれぐらいの割合で配合していいかを調べるのには苦労しました。
清水さん
トライ&エラーは僕たちも日常ですね。ハウス食品の商品開発は数年単位が当たり前。早ければ、数ヶ月で終わることもありますが、今回、学生のみなさんは約半年ほどで試作品まで作られました。授業の合間にということを考えると相当すごいと思います。
石口さん
あと私たち自身も予想外でしたが、レモングラスで納豆の臭いを軽減する組み合わせを特許申請することになって。自分たちの研究をきっかけにして、特許出願ができるなんてことは、夢にも思いませんでした。すごく名誉なことだと思いましたが、一方で、その後にどうやって改良していくかに苦労しました。商品化する時に、特許だけでは消費者の人にはインパクトは薄いなと感じたので。
前田さん
そこで私たちが考えた改良点が「持続性」でした。醤油とレモングラスを合わせたジュレをタレにすることで、効果を高めてみようと。
石口さん
でも、ジュレにして持続性は高まっても、次は食感の問題が出てきて。ほんと、これはどこまでいけば全部解決するのだろうと途方に暮れましたね。
清水さん
商品開発はそういう悩みの連続です。注意してケアしているところはうまくいくけれど、予想もしなかったところに落とし穴が出てきます。僕たちもよく終わったと思ったら「なんでー!!」となっていますよ。

一からモノ作りに携わる面白さ。

清水さん
今回、納豆チームの方も含めて全チーム楽しんで取り組まれているのがすごく印象的でした。成果報告会の数日前に様子を見に行ったときも、実験室にこもられていて「追い込みです」とうれしそうに話してくれました。
石口さん
前田さん
楽しかったです。
石口さん
自分が考えて、一から創っているモノがみんなに食べてもらえたり、自分が考えたモノを商品にできたりすることがこんなにも楽しいことだと改めて実感しました。今回はまだ試作品までしかできていないので、ぜひ商品化までやってみたいです。
前田さん
自分が考えたアイデアに対して、否定的であれ、肯定的であれ、意見がもらえるのも良かったです。否定的であっても、こういう解決方法があるよってアドバイスもいただけたので。
清水さん
まだ学生なので自由な発想で、それをどんどん実践してください。社会人になったら、できなくなってしまうことも多いです。興味があるなしに関係なく、体験することで見えてくるモノがたくさんあります。
前田さん
私たち以外のチームもみんな色んな面白いことをやっていたので、これから少しでも多くの知識を入れていきたいです。その知識が今回のように何かと何かを組み合わせることで新しいモノが生まれるかもしれないので。
清水さん
今回のプロジェクトだけでなく、これからもいろいろコラボレーションをして、例えば学食や生協などで販売できるものなども開発できたらいいですよね。これからもぜひがんばってください。

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