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Faculty of Agriculture

農学部

農が拓く社会。

龍谷大学 農学部×ハウス食品株式会社 学生のアイデアで、スパイスに新たな可能性を。

スパイスを使用した製品開発プロジェクト

龍谷大学農学部はハウス食品株式会社の協力を得て、スパイスを使用した製品開発プロジェクトを実施。2016年10月から17チーム・約80名の学生により、様々な製品を企画。2017年5月には成果報告会として、学生によるポスターセッションを実施。ハウス食品、教員などによる採点・表彰が行われました。

30年来のタッグから生まれたプロジェクト。

伏木教授
龍谷大学農学部×ハウス食品が連携してスパイスを使用した製品開発プロジェクトが始まる前から、実は私とハウス食品の研究所の方々は30年来のお付き合い。いまでも研究所に行って開発チームに「何かアドバイスできることはないか」と商品開発に向けての議論を行っています。
小野さん
ハウス食品が販売している涙が出ないたまねぎ「スマイルボール」もそんな協同プロジェクトから商品化された一つですね。もともとはレトルト食品を製造する際、タマネギとニンニクを温めると変色する問題について伏木先生と調べていたら、そこで偶然たまねぎの涙が出る成分にたどり着き、スマイルボールの商品化へとつながりました。
伏木教授
龍谷大学の農学部に2年前に来て、ハウス食品さんと何か出来ることはないかと考えていたときに、「スパイスの調合について授業をすると面白そうだ」ということですぐに相談してみた。その中で、実際にハウス食品で使用されているスパイス24種類を提供してもらえることが決まり、学生を巻き込んだプロジェクトへと発展していきました。
小野さん
スパイスって実は成分が魅力的で組み合わせによる可能性も秘めているのですけど、日本ではまだまだ認知度が高くありません。ハウス食品としても、スパイスをこれからどうやって活用していけばいいか、どう広報すればスパイスを使ってもらえるかは課題でした。だからこそ、“学生の感覚”でスパイスを活かす今回のプロジェクトはどんなものが出てくるのか期待していました。
伏木教授
教員の視点からお話しすると、今回のプロジェクトではものづくりの楽しさとしんどさを体感してほしかった。普段の授業では「答えにどうやって近づくか」が問われます。しかし、今プロジェクトは「自分たちでゴールを決めて、どうやってたどり着くか」までを考える。実はそれが社会に出ると一番求められること。だから、その第一歩にして欲しかったというのが本音です。うれしい話ですが、今回のプロジェクトでは単位が出ないにもかかわらず、80名ほどの学生が集まり、学生たちのものづくりに対する意欲を感じました。

成果報告会は、まさに「研究の場」だった。

小野さん
スパイスのプロフェッショナルとしてハウス食品でも様々な研究を行ってきましたから、正直最初はそんなに高いレベルを期待していなかったんですよね。ただ、中間報告や成果報告会と前に進むにつれてどんどん面白くなってきて。最後の成果報告会の時のプレゼンでは当初とは比べものにならないぐらい驚きと感動がありました。
伏木教授
学生も最初は知識がなくて戸惑ったのだと思います。ただスパイスを実際に触っていくうちに面白そうなアイデアが進化していった。また各チームにはアドバイザーとして一人ずつ先生についてもらったのですが、それもよかった。普段、スパイスでは使わない機材などが先生を介することでコラボしていく。一番感動したのは、ハエのウジ虫を飼っている先生のチームでは、チューブにウジ虫を入れて、両端にスパイスで蓋をする。そして好きか嫌いかを24種類全部試したみたいです。結果としてそのチームは虫が嫌がるスパイスを使用したお香を創りました。
小野さん
お香のチームは良かったですね。データもしっかり取られていたし、研究発表に出しても十分にいけるのではないかな。あとはスパイスを使ったクレヨン。匂いが出るクレヨンという発想も面白かった。我々では絶対に発想しないまさに学生ならではの感覚でした。
伏木教授
消臭シートを創ったチームも面白かった。毎日、スパイスミックスのシートを片方の靴にだけ入れて履いて、夜になったら消臭効果を計測する。すごく原始的な手法だけど、確実に成果が出ていた。
小野さん
最終の成果報告会は、各チームプレゼンをしてもらいましたが、17チームすべて違う視点でアイデアが出されていて順位を決めるのに苦労しましたね。
伏木教授
成果報告会は、まさに「研究の場」でしたね。もちろん学生たちは緊張していましたが、終わったときの解放されたあの表情は、学位をもらった学生みたいでした。普通の学部生ではまず見られない表情です。
龍谷大学 農学部×株式会社アンデ 野生酵母を使って、地元に根ざしたパンを作りたい。

学生にとって刺激的な時間だった。

小野さん
改めて今回のプロジェクトを通して、学生たちのひたむきな研究への姿勢は刺激を受けることも多かったです。食品メーカーとしてお話しすると、今回プロジェクトでの成果物はまだ試作品。それを量産化、商品化しようとすると大きな壁が待っています。でも、その壁を乗り越えようと思ったときに、いかに科学が必要かを感じてもらえる。それを元にまた勉強することで、本当の意味で勉強が身になることを実感してもらえるんじゃないかなと思います。
伏木教授
まずはやってみることの大事さを感じてもらえたと思います。頭で結論を出すのではなく、行動することで展望を自ら開いていく。途中でいくつか行き詰まったチームもありましたが、成果報告会までには各チーム納得いく成果物まで完成させていました。また、今でも研究を続けているチームがあります。お香のチームは学会発表に向けてがんばっている様ですし、研究成果が特許申請につながったチームもあります。それだけ今回のプロジェクトが学生にとっても刺激的な時間になったと思うと、実施した甲斐がありました。
小野さん
これからも引き続き、龍谷大学農学部のみなさんとはコラボしていけるといいですね。

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