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Faculty of Agriculture

農学部

中川 千草(地域マネジメント・資源保全研究室)

中川 千草
教員氏名
中川 千草(なかがわ ちぐさ) 准教授
学位
博士(社会学)
学歴
関西学院大・院・社会学
専門分野
環境社会学、資源管理、地域研究

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資源を守り、地域社会をつくっていくために

日常生活で当たり前のように耳にする「自然を守る」ということについて、具体的に考えたことはありますか?西アフリカのギニアでは、マングローブを薪として利用した塩づくりが盛んです。
この塩づくりは貴重な現金収入の手段であり、生活のために欠かせない仕事して、世代を超えてつづけられてきました。
しかし、マングローブは、生態系(自然環境)保全において重要な役割を果たすということが学術的に解明され、それ以降、マングローブの伐採を禁止すべきという考えが広く聞かれるようになりました。
その後、主に欧米の環境保護団体によって、この考え方がギニアの塩づくりの現場にも持ち込まれると、中には、従来の方法を批判し変更を強く求めるような事態がしばしば見られるようになりました。
さて、この状況は、どのように、誰の視点から解決すればよいでしょうか。
その答えはやはり「現場」にあります。特に、「現場に生きる人びとの声を聞くこと」、これがもっとも大切だと考えます。
わたしはこれまで、日本や世界各地の農山漁村を訪れ、現地に暮らす人びとが重ねてきた経験について聞き取り調査を行なってきました。
語られる内容は、わたしたちが想像もしていなかったような、その土地ならではの知恵や工夫に富むものが多く、多くの学びがあります。
ときには、辛くどうしようもない状況、利害関係や個人的な感情といった生々しさが噴出する場面に出会ったり、土地に根ざした生き方と、あらたに持ち込まれる価値観や情報がぶつかり合い、さてどうしたものか、と現地の人びとと頭を抱えたりすることもあります。授業やゼミ活動では、こうした現場の声、現場からの学びをみなさんに伝えたいと思っています。

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