本演習は、食料を生産する現場に注目します。そこで、生産・流通に携わる人びとがどのように工夫したり、悩んだりしながら生きているのか、また、どのように地域社会を形成しているのかについて、観光・環境・食(文化)という三つのトピックを中心に、社会学的な視点から検討することが、研究室のテーマです。食料の生産方法や暮らしのあり方、さらにそれらが環境に与える影響の中身は常に変化し、地域によっても大きく異なります。たとえば、生業が廃れてしまい、自然とのつながりがすっかり失われてしまった地域もあれば、環境に配慮した観光を展開したり、人と自然とが共生可能なまちづくりを達成している地域もあります。まずは、こうしたさまざまな取り組みについて、知ることからはじめます。
次に、こうした課題を「誰の視点に立って解決するのか」ということを考えていきます。そのため、主な研究方法は、フィールドワーク、つまり、実際に現場を訪れ、話を聞かせてもらったり、活動に参加させてもらったりしながらデータを得ること、とします。受講者は、自分のフィールド(地域でも団体でもOK)を持ち、フィールドから学ぶ姿勢を養うことを目指します。