- 教員氏名
- 大門 弘幸(だいもん ひろゆき) 教授
- 学位
- 農学博士
- 学歴
- 大阪府立大・院・農学
- 専門分野
- 作物生産科学
- その他
- 2020年 根研究学会学術功労賞
2005年 第51回日本作物学会賞
地球温暖化、干ばつ、洪水、塩類集積など様々な環境ストレスの増大により、今、世界では食糧の安定供給が厳しい状況になっています。私たちはそれに対して何ができるでしょうか。私は環境への負荷を抑えて、化石エネルギーの投入量を少なくした持続的な作物生産体系の確立を目指し、その基盤となる様々な植物の特性を明らかにし、それを実際の農業に利用するといった視点で研究に取り組んでいます。例えば、アズキやラッカセイといったマメ科植物と根粒菌の共生窒素固定の研究もその一つです。熱帯、亜熱帯地域の粗放的な農業におけるマメ科作物の栽培は、これらの地域における農業生産の根幹をなし、一方、日本をはじめとする集約的な農業においても、省資源、環境保全の側面から、マメ科作物の効率的な導入を検討する必要があります。そのために、レンゲやクローバのような肥料となる「緑肥」作物の研究や、穀類とマメ類をともに栽培する「混作」や「輪作」の研究などを進めています。農作物は1個体で育っているのではなく、必ず集団として育っていますから、実際の畑での作物のパフォーマンスを個体群としても評価しなければなりません。一方で,個体群の特性を詳らかにするためには、その元となる個体や器官や組織や細胞のこともより詳しく知らなければなりません。つねにフィールドと実験室の両方で植物の特性を解析しています。