自らが選択したテーマについて調査研究を行い、総合演習での報告とディスカッションを経ることで、それを論文として結実させることを目標とする。論文は社会学的な分析によるものという、大まかな枠を設定するが、私(渡邊)自身が最近は環境史的研究に注力しているので、歴史学的研究も排除しない。研究テーマのキーワードは、「食をめぐるネットワーク」「農産物と地域社会」「生き物と人間との関係」などとなる。例えば、滋賀では鮒寿司で知られるフナを取り上げてみると、「食材としてのフナはどのようなネットワークを介しているか」「大阪のため池でかつて盛んだったフナの養殖の現状」「ヘラブナ釣りに見る人と自然の関係」などといった課題が思いつく。とは言え、研究テーマそのものについては、演習参加者の食料・農業・環境に関する問題意識のままに、自由に選択してもらってかまわないこととする。