植物は環境変動のなかで生き抜くために、高度な情報処理をしています。当研究室では、植物の中と外の情報を取り出し、統合することで、野外で生きる植物を深く理解することを目指します。
植物の中の情報
植物のゲノムには、2~3万個の遺伝子があり、寒ければ凍結を防ぐ遺伝子が発現するなど、どの遺伝子が働くかは巧妙に制御されています。遺伝子発現の変化を捉えることで、植物の情報処理を垣間見ることができます。とくに昼夜サイクルに応じた情報処理を担う「時計遺伝子」の研究を進めています。時計遺伝子は体内に1日のリズムを生みだす概日時計を構成し、様々な生理現象を制御します。概日時計は、季節の指標として日長を測定する光周性の基盤としても重要です。また、植物間でゲノムの比較を行い、環境応答の違いを生み出すゲノム領域の同定にも取り組みます。
植物の外の情報
環境応答を理解するには、植物が経験した環境変動を詳細に把握する必要があります。そのため、環境計測機を野外に設置し、植物周辺の微小な環境情報を捉える技術開発を行います。また、葉や花がいつ開いたか、どんな昆虫に食べられたかなど、植物の見た目の変化も重要です。タイムラプスカメラによる自動撮影と機械学習による画像処理を組み合わせ、植物の変化を捉える研究にも取り組みます。

