多くの作物を加害し、枯死や減収をもたらす有害線虫は農業上の大きな問題となっています。しかしながら、有害線虫の研究をおこなっている講座を持つ大学はとても少なく、線虫という生き物自体あまり知られていません。当研究室ではまず有害線虫の調査スキルを身につけるべく、圃場調査法、土壌からの分離法、分類同定法、線虫DNA抽出法、接種試験法についてのトレーニングをおこないます。その上で学生の興味に応じた研究テーマを一緒に考えます。また、週に一度、関連論文を読んでその内容について発表する勉強会をおこなっています。他のゼミ生の前で1人1人発表を行うことにより、科学的な思考と論文の内容を理解する力をきたえ、有害線虫に関する幅広い知識を習得します。このようにして、日本における数少ない有害線虫のスペシャリストとして農業現場のニーズに応えられるよう教育を行っています。
所属学生研究テーマ・分野(例)
- 近畿地方における有害線虫種とその分布調査
- 外国産有害線虫の寄生性調査、および検出法の開発
- 畑、水田、森の線虫相比較
- 殺線虫剤や対抗植物による線虫密度低減試験
- 東南アジア産ナスの線虫抵抗性育種素材選抜
- 対抗植物による線虫密度低減効果調査
- 昆虫病原性線虫による害虫の防除法
- キャンパス内のマツノザイセンチュウ被害調査