農業生産現場では様々な病気が発生し、農作物の減収や品質低下を招いています。本研究室では、近隣地域で問題となる病害による農作物被害を軽減するために、現場ニーズ対応型研究に取り組んでいます。
病原菌の診断
人と同じように植物も病気をできるだけ早く見つけて対策を立てることが大切です。そのためには迅速で高感度な病原菌の検出法が必要です。本研究室では、イチゴ苗に潜伏感染して被害を広げる炭疽(たんそ)病菌や萎黄(いおう)病菌のPCR検出技術を開発し、本技術の現地導入によってイチゴの安定生産を目指しています。また、殺菌剤の効果が低下した薬剤耐性菌のモニタリング調査を行い、薬剤散布の効率化を図っています。
人と環境にやさしい病害管理
近年、化学農薬の使用量を軽減した病害管理法が求められています。本研究室では、微生物製剤を利用した野菜病害の防除法や温湯による汚染キク苗の消毒法など、人や環境に優しい病害管理技術の開発に取り組んでいます。