- 教員氏名
- 滝澤 理仁(たきさわ りひと) 准教授
- 学位
- 博士(農学)
- 学歴
- 京都大・院・農学
- 専門分野
- 生物系・農学・生産環境農学・園芸科学
果実の着果と肥大は受粉と受精により誘導されます。そのため、温室内で安定的に果実を生産するためには、受粉効率を高めるために訪花昆虫を利用したり、人の手で果実の肥大を促進する植物ホルモンを処理したりする必要があります。しかしいずれも、コストや労力が必要となり、生産者にとって大きな負担となります。このような着果処理にかかるコストや労力を削減する方法として、単為結果性の利用が挙げられます。単為結果性は受粉・受精無しに果実が着果・肥大する性質で、野菜ではキュウリ、ナスそしてトマトで単為結果性品種が開発され、着果処理の効率化を進めるための有用なツールとして注目されています。
トマトは果実研究におけるモデル植物であり、最も単為結果性に関する研究が進んでいる植物です。しかし、それでもその誘導機構には未解明な部分が多く、その全容は明らかとなっていません。また、単為結果性遺伝子の導入は果実品質に悪影響を与えることがあり、それがトマトの単為結果性品種の普及を妨げています。私はトマトの単為結果性遺伝子の同定やそのメカニズムの解明により、不良形質を伴わない単為結果性トマトの育成に取り組んでいきたいと考えています。