- 教員氏名
- 三浦 励一(みうら れいいち)准教授
- 学位
- 博士(農学)
- 学歴
- 京都大・院・農学
- 専門分野
- 植物保護科学、生態・環境、農業技術史、文化人類学・民俗学
「雑草」というと何かアカデミックでない言葉のようなイメージがあるかもしれませんが、ここでいう雑草とは田畑などに生えて農業生産の妨げとなるさまざまな植物をさす、れっきとした学術用語です(「日本雑草学会」という学会もあります!)。農業とは作物の成長を助ける行為ですが、それは裏からみれば、作物以外の植物(=雑草)を取り除く行為でもあります。もし草取りをまったくしなかったら・・・いや、それはちょっと違います。草取りの手をわずかでもゆるめたら・・・田畑がどうなってしまうか、少しでも農業の経験のある者ならば思い知らされているでしょう。手作業での草取りや除草剤の使用といった直接的な手段のほかにも、農法(ファーミングシステム)の中では、雑草の勢力を弱めるさまざまな工夫がこらされているものです。そういった視点から、農業技術を理解したい。そのためには、作物と雑草の双方の性質を生態学的・遺伝学的に調べるばかりでなく、地域固有の農法を観察するためにアジア・アフリカの奥地にも出かけるし、現地の植物図鑑も、古文や漢文で書かれた古い書物も読みあさります。私にとっての農学は、理系も文系もない、総合格闘技です。