
2020年10月、龍谷大学農学部は「持続可能な食循環プロジェクト」の一環として、学生が農業実習をおこなっている牧農場および農事組合法人ふぁーむ牧で収穫した近江米と大豆を使ったオリジナル白味噌を開発し、販売しました。学生たちが育てたお米と大豆を使用し、懐石料理用の「極上仕上げ」の品質の白味噌に製造してくれたのは、京都を代表する老舗味噌店・株式会社石野味噌。できあがった白味噌は、農学部の全学生や牧地区の住人に配られたほか、商業施設フォレオ大津一里山でも学生が販売し、3時間で100袋が完売するなど大きな反響を呼びました。このプロジェクトを記念して、開発に携わったメンバーによる対談をおこないました。(※所属は取材当時のものです)
今回のプロジェクトの発起人でマメ科の専門家。長年マメ科植物と根粒菌の共生について研究しており、緑肥作物の専門家でもある。世界の食糧危機を乗り越えるべく、持続可能な環境負荷の少ない作物生産体系の確立をめざして研究をおこなっている。
白味噌の原材料である厳選された「近江米」と滋賀県奨励品種である大豆「ことゆたか」を生産。瀬田キャンパスの近くで23ヘクタールの畑を営む「ふぁーむ牧」は環境配慮型の農業に取り組み、農学部創設時より学生の実習農場を提供している。
天明元年(1781年)創業、230余年以来地域の素材を大切にして味噌づくりをおこなってきた株式会社石野味噌の9代目社長。2017年度より龍谷大学親和会(保護者会)の役員を務める縁から今回のプロジェクトに参加。
1年生から食の循環実習を受講し、農場における農産物の生産から収穫に携わる。今回は学生代表としてこの対談に参加。実家がパン屋ということもあり、作物学研究室(大門教授担当)でコムギとマメ科の混作の研究をしている。卒業後は兵庫県の農業技術職に内定が決まっている。