高血圧は脳卒中や心臓病につながりやすく、高血圧の予防や治療には減塩が必要です。ですが、ただ食塩の量を減らすだけの減塩では、おいしさの低減につながってしまいます。どのようにしたら、おいしさを損なわず減塩できるのでしょうか?GABAは神経伝達物質であり、食品成分からGABAが合成されるなら味神経を刺激し塩味を強める(あるいは塩味のような錯覚を起こす)可能性が考えられています。研究室では香辛料に着目し、GABAとの関連について探求しています。
人は必ずしも合理的な選択・行動を行うものではなく、直感的な判断や決定に基づいて行動すると考えられています。それでは、直感的な判断や決定を規定する要因とは何か。行動経済学の分野で注目されているナッジ(Nudge)とは、誘惑に耐えるあるいは選択の禁止ではなく、より良い判断や行動を促す仕掛けです。この仕掛けによって人の行動は変容・維持されていくのか。錯覚や仕掛けによる人の行動の研究は、ポピュレーションアプローチへの貢献、そして持続可能性のある食環境づくりへと繋がるでしょう。