植物の匂いに注目し、以下のような研究をしています。
『植物と昆虫の匂いコミュニケーション』
植物は動けない、声が出せない代わりに、においを巧みに操って身を守ります。その一つに、植物は虫に食べられると、その虫をたべる天敵を呼び寄せて、その虫を撃退します。どのようにして、植物は天敵を呼び寄せるのでしょう?それは、虫に食べられたときに匂いを放出するのです。これは、天敵にとってもその匂いを手掛かりにすることで、餌や寄主となる虫を容易に見つけることができるのです。
『植物同士のコミュニケーション』
植物同士も匂いでコミュニケーションすることができます。虫に食べられた植物が出す匂いを健全な植物が受容すると、虫に対する防衛反応が引きおこります。そして虫からの被害を受けにくくなります。つまり、植物は匂いによってコミュニケーションをとっているといえるでしょう。
『匂いをつかった害虫防除』
植物が出すにおいを利用すれば、害虫の天敵を誘引したり、匂いで作物の害虫にたいする抵抗性を高めたりすることができるのです。私は、このような植物の匂いをつかって、農薬をできるだけ使わない農業や、発展途上国で収穫量を増やす技術を開発することができると考えています。