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Faculty of Agriculture

農学部

植物育種学研究室

農学科

植物育種学研究室 左上:毛状根由来の矮性リンドウ 右上:リンドウの毛状根
左下:β-カロテンを蓄積したナス 右下:マツバボタンの貯水細胞

植物の仕組みを理解し、バイオテクノロジーで持続可能な社会の実現に貢献する

バイオテクノロジーの発展に伴って様々な育種技術が開発され、これまでにない形質を持つ植物が創り出されるようになりました。私たちはこれまでに、ビタミンA欠乏症の改善を目的に果実にβ-カロテンを蓄積させた組換えナスを作出したり、リンドウの毛状根から植物体を再生させてポット栽培に適した矮性リンドウを作出するなどの試みを行ってきました。一方リンドウやレタスでは、植物の遺伝子組換えで広く用いられる35Sプロモーターを導入すると、DNAメチル化が生じて転写が抑制される現象を発見しました。このような現象の解明は、組換え植物開発の妨げとなる問題の解決につながると考えています。本研究室では、これまでの知見を活かして様々な植物で新しい育種技術を適用し、持続可能な社会の実現への貢献を目指します。

また、私たちは植物の分化した組織で様々な倍数性の細胞が混在するpolysomaty(体細胞多倍数性)という現象に興味を持ち、研究を進めています。この現象は、穀物の胚乳やトマトの果実など食物となる器官にもみられるので、現象のメカニズムや生理的意義を解明することにより増収やバイオマス増産への貢献が期待されます。

  • 35Sプロモーター配列がメチル化されるリンドウ
  • フローサイトメトリー解析

所属学生研究テーマ・分野(例)

  • 35Sプロモーター配列特異的なDNAメチル化誘導機構の解明
  • セイヨウナタネの分子育種
  • カブを対象とした遺伝育種学的研究
  • 砂漠緑化に貢献する植物資源の分子育種
  • 果実にβ-カロテンを蓄積した組換えナスの研究
  • フローサイトメトリーによるpolysomatyの解析
  • 核内倍加に関与する因子の解析
  • IRE1が植物発達に与える影響の解明

指導教員

三柴 啓一郎 教授
指導教員名
三柴 啓一郎(みしば けいいちろう)教授
専門分野
遺伝育種科学、応用分子細胞生物学、園芸科学
キーワード
遺伝子組換え、ゲノム編集、DNAメチル化、小胞体ストレス応答、フローサイトメトリー
主な担当講義
植物育種学、分子育種学Ⅱ、基礎化学実習、農業を支える植物細胞の力
主要著書・論文
エッセンシャル植物育種学 農学系のための基礎(講談社,2023年)
ひとりではじめる植物バイオテクノロジー入門 組織培養からゲノム編集まで(国際文献社,2022年)
Genetic engineering of eggplant accumulating β-carotene in fruit.(Plant Cell Reports,2020年)
Unfolded protein-independent IRE1 activation contributes to multifaceted developmental processes in Arabidopsis.(Life Science Alliance,2019年)
CRISPR/Cas9-mediated homologous recombination in tobacco.(Plant Cell Reports,2019年)
DNA double-strand breaks promote endoreduplication in radish cotyledon.(Plant Cell Reports,2018年)
A 64-bp sequence containing the GAAGA motif is essential for CaMV-35S promoter methylation in gentian.(BBA-Gene Regulatory Mechnisms,2017年)
Effect of light and auxin transport inhibitors on endoreduplication in hypocotyl and cotyledon.(Plant Cell Reports,2016年)
CaMV-35S promoter sequence-specific DNA methylation in lettuce.(Plant Cell Reports,2016年)
The polar auxin transport inhibitor TIBA inhibits endoreduplication in dark grown spinach hypocotyls.(Plant Science,2014年)
Defects in IRE1 enhance cell death and fail to degrade mRNAs encoding secretory pathway proteins in the Arabidopsis unfolded protein response.(PNAS,2013年)
Webサイト
三柴研究室ホームページ
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