食料や生産資材の流通が国際情勢によって大きく左右される中、食料自給率向上に貢献できる作物生産技術の確立が喫緊の課題となっています。このような状況を鑑みて、現在は農耕地における窒素やリンに着目して環境負荷軽減型栽培を目指した研究に取り組んでいます。具体的には、緑肥作物、食品副産物(大豆ホエイ)、バイオ炭などを活用した圃場生産力の向上に関する研究です。一方で低投入型栽培を実現するためには作物自身の養分吸収能を高めることも重要であり、現在ダイズの低リン耐性強化に向けた研究にも取り組んでいます。今後は、イネ・ムギ・ダイズの3年4作体系においてイネと比較して遅れているムギやダイズの有機栽培に関する研究、水田におけるメタンや畑圃場における亜酸化窒素の排出抑制を図る研究に取り組み、みどりの食料システム戦略に掲げられた2050年の目指す姿の実現に貢献したいと考えています。フィールド科学に興味がある皆さん、是非一緒に研究しましょう。