今、日本では国民の2~3人に1人が何らかのアレルギー疾患を有しているとされ、大きな社会問題となっています。アレルギー疾患は新生児から乳児期早期にかけての湿疹・食物アレルギーに始まり、その後年齢とともに気管支喘息、アレルギー性鼻・結膜炎、花粉症などの症状が順に起こってくるとされており(いわゆるアレルギーマーチ)、その進展を食い止めるためには小児期早期からの予防的介入が重要です。
アレルギー疾患の予防や適切な管理のためには、必要最小限の除去食指導や栄養管理、アレルギー予防のための食事指導など食習慣へ介入していく必要があり、その実現のためには健全な食生活をサポートする管理栄養士の育成が重要です。本研究室では、特に私の専門であるアレルギー疾患に対して「食と栄養」を通じて適切な管理や予防を目指した研究と人材の養成に努めていきたいと考えています。また、大規模な一般小児集団を対象とした横断的、縦断的な疫学研究を通じて様々な生活習慣病の予防戦略を構築し、次世代を担う子どもたちの健全な発育・発達に貢献したいと考えています。