実験環境下では「一定」な条件で植物を育てます。一方で野外では、環境要素は常に浮動しています。例えば、光の量は、「雲」や太陽光を遮る「被隠物」のために分単位で激しく変動します。しかし、実験室内で、太陽光のような高光量を達成し、しかもそれを変動させる状況を再現することはとても難しく、これまでにこうした浮動に着目した研究は十分にはなされてきていません。
私の研究室では、こうした「浮動する環境下」で植物がどのように振る舞い対応しようとしているのかについて、分子レベルで明らかにすることを目指しています。植物がどのように「浮動する環境」を感知するのか、どのようにシグナルとして細胞内に伝え応答しようとするのか、という「感知」と「応答」という現象を考えてみても、どのようなタンパク質がそれぞれに関与するのか、感知や応答する能力を欠いた植物にはどのような不利が生育に生じるのかなど、疑問は尽きません。
最近では、夏の強雑草が、光量変動に巧みに応答する能力を発達させていることを見出しました。」に続いて、「最近では、夏の強雑草が光量変動に巧みに応答する能力を発達させていることを見出したほか、温度を感じる仕組みについても関係するタンパク質を見つけました。