① 食品の味や匂いを構成する呈味物質や嗜好成分に着目し、その受容機構の解明や、味や匂いの相互作用の解明を食品化学、細胞生物学、構造生物学、計算科学の手法を用いて解析しています。タンパク質は一般的に味がしませんが、例外的に強い甘味を呈する「甘味タンパク質」があります。このタンパク質性甘味料を更に甘くする取り組みや、より多くの食品に活用するために、加熱処理に対して安定化させる手法を確立するための研究を行っています。また、食品の不快な味や匂いを低減させる新規な食品素材として改良を進め、応用利用を目指しています。
② 食品の品質や化学変化に伴う呈味性変化を調べるために、官能評価に代替できる培養細胞を用いた評価方法の構築をはじめ、食糧資源の特性を精査して、物性の制御、加工プロセスを工夫し、特有の優れた食感や嗜好性を具備した新規な食品素材を見出す研究を行っています。
③ 生理的な条件下でどのようにタンパク質が機能するかについて、タンパク質の動きを捉える手法を用いて、構造と呈味発現の機能相関解析、産業利用に関わる食品酵素類の解析など、食品化学分野をはじめ創薬分野での展開を視野に入れ研究を進めています。