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アグリDX 人材育成事業

教員インタビュー

「食の循環実習Ⅰ」の現場に
農業IoT機器「水田センサー」を導入

5月14日に、農学部4学科合同で「食の循環実習Ⅰ」(田植え)を実施しました。この実習は毎年の恒例となっていて、農学部牧農場ですべての1年次生(約450名)が田植えを実施します。2022年度は文部科学省の大学改革推進等補助金の採択を受け、「アグリDX人材育成事業」に取り組んでいます。この事業は、農学部の実習を高度化するためのDX教育設備の基盤を整備し、農学部生にデジタルマインド・スキルを修得してもらうための取組みです。水田にはすでに農業IoT機器の「水田センサー」が導入されています。水田センサーは、水田の水位と水温データを自動収集することが可能で、その収集されたデータは無線通信経由でクラウドに蓄積されます。これまでは水管理のために水田へわざわざ足を運ぶ必要がありましたが、農場から遠く離れた場所からでもスマホなどで水田の状況を確認することができます。水田センサーの導入により、これまでの労働負荷を大幅に軽減することができます。参加した学生は、今回の「食の循環実習Ⅰ」(田植え)を通して水田のDX化の一端を学ぶことができました。

農学部が取り組む「アグリDX」人材育成事業への期待

「食の循環実習Ⅰ」(田植え)に参加した学生のなかには入学して間もない1年次生ということもあり、センサー導入の意義を完全に理解できなかった、という学生もいたかもしれません。その一方で、水田の状況を自分のスマホで即座に知ることができる、といったデジタル技術の進歩に心を動かされた学生もいたようです。今回参加した学生が、1年後、2年後に農業分野におけるDX化について理解し、DX化されたこの牧農場をどのように利用してくれるか大変楽しみです。

環境データを共有し状況を解析しながら進めていく「食の循環実習」は、学生に農学に関するさまざまな気づきと、学ぶことの楽しさを与えてくれるでしょう。現在は就農者だけではなく農業に関わる職業の選択肢は無限に拡がっています。農業ビジネスをグローバルに革新していく起業家になることも可能かもしれません。また、国や地方公共団体でにおいて農業に関わる政策を立案したり、農業分野の研究者として活躍することも可能です。「アグリDX人材育成事業」が、学生にさまざまなきっかけを与える気づきの種となり、日本の農業の新しい未来をつくる学びの機会となってくれることを期待しています。


神戸 敏成

神戸 敏成(ごうど としなり)

龍谷大学農学部資源生物科学科教授/農場長

長野県出身。学歴/千葉大・院・園芸学。学位/博士(農学)。
専門/園芸科学、植物資源学

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