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アグリDX 人材育成事業

教員インタビュー

農業における「感覚」を「数値化」する

これまでの日本の農業において、培ってきた経験や代々受け継いできた知恵を次世代に残す手段は、感覚による口伝えが中心でした。農業の熟練者が感覚で土の状態を確認する、というのは遠い過去の話。龍谷大学農学部での学びは、農に関して感覚的に行われてきたことを数値化することです。農業のDX化によってあらゆることが数値化できれば、食の安定した生産・供給につながるでしょうし、なにより農業を志して挫折する人が減少するでしょう。

農業の労働力不足が取り上げられて久しくなりますが、農家になりたい、就労したいという人は一定数いるのです。ただ、10人が新規就農したいといっても残るのは1人以下、というのが現状。その理由は、感覚で土の状態を確認する等、伝承される情報に曖昧なことが多いからです。

技術面での曖昧さを払拭して不安を減らす取り組み

「資源生物科学実習A」の授業で学生たちが目にした農業用ドローンでの撮影・記録、生育調査を続けてデータを積み重ねれば、就農1年目でも植物の変化にいち早く気づくことができるはずです。これまで20年以上の経験者でなければできなかった判断が、ドローンの活用によって可能になる。失敗やリスクを減らしていければ、これまで高かった就農の壁が低くなると思います。自動操舵トラクターに関しても同じことがいえるでしょう。マッピング、GNSS機能によって、誰もがまっすぐ効率的に田植えを行うことができるようになります。そのように、技術面での曖昧さを払拭し不安を減らすことが、スマート農業の入口なのかもしれません。

農学部が取り組む「アグリDX」人材育成事業への期待

農場の現場責任者としては、本事業の取り組みを通じて、DXによる農学部の実習の高度化を図り、デジタルマインド・スキルを持った地域に求められるアグリDX人材が育成されることに大いに期待をしています。そして、この農場をいろんな学生、そして研究者が足を運んで、それぞれの知恵を出し合える場所にしたい、研究のコーディネートを果たしたいと考えています。


吉村 大輔

吉村 大輔(よしむら だいすけ)

龍谷大学農学部農場専門技術助手

大阪府出身。公立和泉高校卒業。近畿大学農学部卒業後、農業法人で作物・野菜などの栽培を経て、大阪府立大学で果樹の管理を行う。この期間に農業技術検定や土壌医などの資格を取得し、現在龍谷大学農学部の圃場管理や指導・研究補助などを行っている。

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