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アグリDX 人材育成事業

教員インタビュー

学生たちの農場実習をサポート

農学部牧農場は、瀬田キャンパスからバスで15分ほどの距離にある教育を目的とした実習用農場(2.7ha)で、「食の循環実習Ⅰ・Ⅱ」、「資源生物科学実習A・B」、「総合演習Ⅰ~Ⅲ」、「特別研究」などの授業で実習を行っています。牧農場には私を含め3名の農場専門技術助手が常駐をしており、それらの授業で学生・教員が安全かつ円滑に実習を行うことができるようにサポートをしています。

特に「食の循環実習」は、4学科横断型の必修科目で前期「食の循環実習Ⅱ」(2年次/約450名)、後期「食の循環実習Ⅰ」(1年次/約450名)が受講する大規模な実習科目です。これほど多くの学生が受講する実習科目を年間通して行っている大学はあまり例がありません。受講者数が多いため、授業の事前準備・運営・事後片付けなど、大変なことが多いですが、本学農学部のコンセプトである「食の循環」(「生産」「加工」「流通」「消費」「再生」)のうち、生産(栽培・収穫)は実際に田畑に立って土に触れる大切な学びの体験ですので、サポートにも力が入ります。

デジタルマインド・スキルを持つことでリスク回避を

農作物を相手に農業に携わる牧農場での日々は、学びの連続です。マニュアル通り操作すれば製品ができるわけではなく、思い通りにはいかないことばかり。年々、農場の環境は変化していきますし、思わぬ悪天候に農作物がさらされることもあります。想定外の事態が起こってもすぐ対応できるよう、観察を続け、データを分析し、リスクを回避する方法を知っておくことが大切。デジタルマインド・スキルを持つことは、未来の農業を支えることにつながります。学生と一緒に農作物の成長を見守り収穫の喜びを感じながら、どうすれば持続可能な農業へと変化することができるのか、考え続けていきます。

農学部が取り組む「アグリDX人材育成事業」への期待

鍬を手に土を耕し作物を育てるという、日本人が続けてきた農業を伝えていく一方で、進めなければならないのが農業のDXです。少子高齢化、農業従事者の労働人口の減少などの社会課題を受け止めながら、日本の農業を持続させていく必要があります。そのためには農業のDX化は必須だと考えています。

私は2年前にドローンの免許を取得し、その知見を実習に活かしています。現代の農業にまず必要なのは、最適化を見つけて実践すること。例えばドローンで撮影した農場の画像を分析し、弱った農作物を特定します。その弱った農作物がある箇所に必要な分量の適切な農薬をドローンで散布すれば、農薬使用量を最小限に抑え、弱った農作物だけをメンテナンスすることができます。

「アグリDX人材育成事業」では、実習の高度化によりデジタルマインド・スキルを持った学生の育成をめざしています。学生たちには牧農場での実習を通して必要なところに必要な技術を活かす技術や知恵を身につけてほしいと思います。そのような学生の育成のために全力でサポートしていきたいと思います。


吉良 徹

吉良 徹(きら とおる)

龍谷大学農学部農場専門技術助手

大阪府出身。山梨大学大学院工学研究科修士課程化学生物工学専攻修了。修士(工学)。食品関連会社等にて主に品質管理業務等、大阪府立大学(現・大阪公立大学)にて農作物の生産・販売、圃場管理を行う。現在龍谷大学農学部の圃場管理や指導・研究補助などを行っている。

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