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アグリDX 人材育成事業

関係者インタビュー

農学部との連携協力からうまれたアグリDX人材育成事業

株式会社石野味噌は2020年度から農学部と連携協力し、龍谷大学の学生さんたちが牧農場で収穫されたお米と大豆を使ったオリジナル白味噌を製造させていただいています。そのようなご縁から、文部科学省の大学改革推進等補助金(アグリDX人材育成事業)では産業界との連携の分野で協力をさせていただいています。

京料理に欠かせない白味噌の味の決め手は米麹

日本の味噌には大きく分けると3種類が存在し、麦と麹菌を合わせた麦麹を用いる麦味噌、大豆と麹菌を合わせた豆麹を用いる豆味噌、米と麹菌を合わせた米麹を用いる米味噌があります。白味噌は米麹と大豆で作る米味噌のひとつです。大豆とたくさんの米麹を合わせて短期熟成することにより、塩分濃度が低く奥深い甘みの白味噌に仕上がります。米麹の出来が味噌の味わいを決めるといっても過言ではありません。

労力を減らしても、良質な米麹に仕上げるために

米味噌に欠かせない米麹作りで最も重要なのが、約2日間かけて行う製麹(せいぎく)です。蒸し上がったお米に麹菌を散布し、製麹室で寝かせて米麹を作ります。1日目に麹菌を発芽させ、2日目に米に根を張るようなイメージです。高温すぎても低温すぎても良い米麹になりませんので、温度調整は非常に大切です。現在は、温度と時間を自動で制御して、製麹室の状態を最適な温度に保っています。また製麹の途中には、お米をほぐして空気にあてる「手入れ」という作業があり、昔は人の手で上下をかき混ぜていたのですが、現在はこちらも機械化しています。

農学部が取り組む「アグリDX人材育成事業」への期待

白味噌の主な原料は米と大豆です。将来的に農業の担い手が少なくなれば、これまでと同じような良質な米と大豆が手に入らなくなるかもしれない、と危惧しています。私たちは農作物そのものを作ることはできないけれど、農学部の皆さんと連携して、農業の未来を明るくするお手伝いができるのではないか、と考えています。現在、白味噌に使う大豆は輸入に頼るしかないのが現状ですが、ここ数年はコロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻の影響で供給が不安定な時期も度々ありました。国内産の大豆が増えれば、もっと安定した量を安定した味でお届けすることが可能になるでしょう。現在の日本は農業従事者の高齢化や労働力不足などが年々進んでおり、農業を取り巻く環境は厳しい状況です。そのような中、農業を持続可能な成長産業とするためにはデジタル技術を活用した生産性の向上が欠かせません。今回の「アグリDX人材育成事業」の取り組みにより、技術や考え方を地域・産業界に広く普及できるアグリDX人材が育成され、農業分野のDXがさらに加速し、国内産大豆の生産量が増えることにより国内産大豆を使用した味噌作りも可能になることを期待しています。


石野 元彦

石野 元彦(いしの もとひこ)

株式会社石野味噌 代表取締役社長

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