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アグリDX 人材育成事業

農学部4学科合同「食の循環実習Ⅰ」
―「農業用ドローン」「GNSSトラクター」の実演を見学―

2022年12月2日、農学部牧農場において農学部4学科の学生が必修科目として合同で行う「食の循環実習Ⅰ」(1年次)が実施されました。この日、牧農場を訪れたのは約220名。班ごとにわかれ、大門学部長から「アグリDX人材育成事業」で実習の高度化のために配備した「農業用ドローン」「GNSSトラクター」について説明を受け、先端技術を活用したスマート農業について学びました。

データをクラウドに集積、解析して栽培管理に活かす

農業分野で活用されるドローンの役割は主にふたつあります。ひとつは、農薬や肥料を散布することです。ドローンを使えば、広範囲に農薬などを散布することができ、作業時間も労働力もかなり削減できます。

そしてもうひとつが、カメラを搭載したドローンによるリモートセンシングです。ドローンとリモートセンシング技術を掛け合わせることで、離れた場所からかつ広範囲に農作物の状態を調査することができます。特殊なカメラを使って作物の生育状態を観察、評価し、手をかけるべきポイントを確定。このことにより、必要な箇所だけに肥料や農薬を与えることが可能になります。「アグリDX人材育成事業」ではドローンで測定されたこれらの生育状況に関するデータを集積し、それを解析するためのAzureデータ基盤を構築しました。すなわちクラウド上に集積されたデータに、学生・教員が自由にアクセスすることが可能で、それらを教育・研究に役立てることができます。

農場での栽培実習を通して見えてくるDXの必要性

「自動操舵トラクター」の実演では、GNSS(全球測位衛星システム)の信号とシステムに設定された情報に基づき正確に指定された範囲の圃場を自動走行するトラクターを見ました。これまでの手動トラクターの操縦では、熟練の技術が必要でしたが、GNSSトラクターがあれば操縦における人の関与が少ないため、技術習得の期間を大幅に短縮することができます。ハンドルが自動で微調整され、水分が多く凹凸した土壌の上でも、まっすぐ正確に進むことができますし、無駄な重なり走行がありません。「冬の間に土を撹拌しておくことは、来年のための大事な作業です。混ぜることで土の中に酸素が行き渡り、農作物の生育に必要な窒素やリンの無機化が促進されます。GNSSトラクターを利用すれば、新規就農者でも耕耘や播種を比較的楽に行うことができます。また、ドローンを用いたリモートセンシング技術と散布技術を応用すれば、農薬や肥料の施用量だけでなく労力も削減できるでしょう。農業分野におけるDXの先にめざすものは何なのか。DXの必要性を理解しながら、この実習に参加してください」という大門農学部長の熱い声が牧農場に響きました。

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